フルート吹きの魔法使い
「あははは!なんだい、その顔。見たことないのかい?これは、"魔法"だよ。ルリ」
「ま・・・魔法・・・。そんなの本や映画の中でしか・・・」
「魔法を知らないのかい?驚いたね。まあいい、まず飲んで。わし特製のハーブティだよ。・・・で?お前さんはどこから来たんだい?」
カップが熱そうなので、ゆっくりと口を付ける。
ベリーのような味がして少し酸味が残る。
うん、でも美味しい。
気持ちが安らぐ。
「はい。その、大学に行こうと、横断歩道を渡っていたらトラックが来て・・・で気付いたらここにいて」
記憶が残っている部分をモールに話す。
目の前のモールの表情はなんとも微妙だった。
「ダイガク?オウダンホドウ?・・・・なんだね?そりゃ。とらっくってのはなにかい?なんかの魔獣かい?」
・・・見事に何も伝わっていない・・・。
「う・・・。なんて言ったらいいかよくわかんないんですけど・・・」
伝え方が非常に難しすぎて悩んでしまう。
どうやれば上手く伝わるだろう。