フルート吹きの魔法使い
最後の日
「ルリが城に上がる日が3日後に決まったそうだ。お前、随分と荒い手を使ったな」

城の中にある騎士団の執務室。
フランは普段ここで事務作業をしている。

今の騎士団長はあまり事務作業が得意ではなく、フランがそれを主に担当していた。
書類に目を通すフランに、ガリエルは声を掛けた。

あれだけの事をした二人だったが、結局お互い普通に接している。
なんだかんだで仲の良い二人である。


「荒い手?何のことかな。あれだけの魔法を使える人間が、城に入らない方がおかしくないか?ルリは必ずこの国に必要な魔法使いになる。当然のことをしたまでさ」

そう言うと、書類をばさりと机に置き、ガリエルに意味深な笑顔を見せた。


「・・・どうだか。まあ、俺もその方が都合はいいけどな」

「なんだ、お前はまだ諦めてないのか?」

「そっくりそのまま返すぜ。お互い諦めが悪いな」

ふふん、とガリエルはフランに笑い返すと、部屋を出て行った。 

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