わんこと私。
「この人って……」
確か、同じクラスの馬場くんだ――
私が思い出していると、銀髪の髪がゆっくりと動いた。
「……んあ?」
気配を感じたのか、馬場くんが私の方へ振り向く。
「……誰だ、お前」
「あ、ごめんっ! 私、同じクラスの山本っていって……」
鋭い視線にビックリして慌てる私。
馬場くんは怖い噂が多い。
気分を害したら何をされるか分からない。
そんな私のことはお構いなしで、馬場くんは鼻をクンクンとさせている。