人気な女子と地味な男子。
「みんなおはよ〜!」
先輩、後輩、同級生に先生、
校内を歩けばみんなが声をかけてくれる。
靴箱には毎日のようにラブレター。
――中学時代、私は地味だった。
存在さえほとんど気付かれなくて、
あだ名なんてものはもちろんなかった。
オシャレ、メイク、友達の作り方や話しの仕方……
本やネットで沢山調べた。
高校は家から遠いところを選んだ。
“中学時代の私”を知っている人がいないところ。
私を知っている人は誰もいない。
私の存在に気付かない人もいない。
そう、今の私は人気者。
今日までは。