ヤンキー?なにそれ、美味しいの?
「…ねぇ、ちょっとあれ、安達透~Adachi Toru~ じゃない?」
「うそ、学校来るんだ?」
「えおい、見ろよ。がちで安達透だ」
「この時期に初登校かよ。」
窓際にいた1人がそう声をあげ、それに続くようにクラスメートも窓際に寄っていく。
「安達透?」
聞き覚えのない名前に、苺花は首をかしげた。
…だって苺花、そんな人の名前聞いたことない。
「安達、安達。そういえば、うちのクラスにいたよね、そんな名前。」
うーん、と考えながら言うのはいおちゃん。
この様子じゃ、いおちゃんもあんまり知らないんだろーな。
天然姫だとか、可愛いだとか、今もそうだけど、今までもどうしてか色々な噂をされる苺花。
美人で目立ついおちゃんは、それ以上で、
ふたりとも、あまり噂話は好きじゃない。
「あ、いおちゃんのデザート美味しそう、いっこちょうだい!」
「えー、やだよ」
それもあってか、特に興味も持たず、気ままなランチタイムを過ごす苺花たちでした。