ヤンキー?なにそれ、美味しいの?
「悲しかった。苺花だけ仲間外れにされたような気持ちになった。」
可愛いだとか、あざといだとか、特別だとか、何かにつけて「苺花ちゃんは」と言われてきた。
みんなと変わらないのに、みんなだって、それぞれいろんなところがあるのに、どうして苺花だけ、別物みたいにされちゃうんだろう。
いおちゃんと出会うまでは毎日のように感じていた疎外感。
それを思い出しながら、今はその気持ちを安達くんに当てはめる。
「そんな悲しいこと自分で言わないで。
確かに喧嘩はいけないことだと、苺花は思うし、人を傷つけるのはいけないよ?
…でも、普通とか普通じゃないとかそんなのないよ。
安達くんは安達くんで苺花は苺花だもん。
喧嘩っ早くても、根は優しいとこ、苺花知ってるよ?
そんな安達くんが、苺花は好きなんだよ…?
普通だよ、別枠にしないで。」
苺花は、涙を拭うこともせず、安達くんに抱きついた。
小柄な苺花には、安達くんを包み込むことは出来ないけど、気持ちだけは届くようにと強く強く抱きつく。
しばらく固まっていた安達くんは、少したって、苺花をきゅっと優しく抱きしめた。