ヤンキー?なにそれ、美味しいの?
課題をせっせと写して、苺花はいおちゃんに感謝の意を込めて頭を下げる。
「いおちゃん、本当に助かります」
「いいえ、お互い様なので」
笑いながら、ノートを片付けるいおちゃん。
隣の席では、安達くんが眠たそうに机にうつ伏せている。
「せっかく来たなら、起きててもいいのにね」
苺花が小声で言うと、聞こえていたのか安達くんはむくっと起き上がって、こちらを睨みつけた。
その目は、「来たくて来たんじゃない。」
と語っていて、苺花はむむーっと口を尖らせて睨み返す。
ふいっ、と反対側を向いて再び寝てしまった安達くんに、苺花は可愛らしく笑った。