ヤンキー?なにそれ、美味しいの?
「体育祭は参加してね?」
「嫌だ」
「えーっ、授業とは違うじゃん!」
安達くんの背中の温かさを感じながら、直接訴える。
くるっと振り返った安達くんは、苺花を膝に載せて、頬を摘んだ。
キスをされそうな至近距離、ぎゅっと目を閉じた苺花だけど、キスは降りてこなくて。
「わざと言ってんの?口、塞がれたい?」
意地悪な安達くんが、目の前で笑う。
今日もまた、ドキドキさせられる苺花は、キュッと下唇を噛んで、安達くんに仕掛けることにした。
「そうかも…っ!」
自分でこんなこと言うのは恥ずかしすぎて、顔が熱く火照るのを感じる。
安達くんは、少しの時間固まって、
「ほんっと、腹立つ」
と呟くと、いつもより長くキスをしてくれた。