ヤンキー?なにそれ、美味しいの?

「…え、おい。」


気づいたら苺花、手を伸ばしていました。

行く先は、まっすぐ金髪へ。


ーーさらさら…


片方の目にかかっていた前髪に触れてみる。

さっきまで苺花を睨み付けていた切れ長の目は、ほんの少しだけ丸くなり、驚いたように苺花を見つめていた。


「…ちょ、てめ、やめろっ!!」


少し焦ったような声で、苺花の手を掴み、少し離れてから、触れられていた前髪をくしゃくしゃとする。

その仕草に、ほんの少しだけ、金髪くんの人間味が見えて、胸が高鳴ったような。


そんな気がした。


「……意味わかんね。」


そう小さく呟いた金髪くんは、教室から出ていってしまって。

少しの沈黙のあと、教室は一気に騒がしくなった。
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