ヤンキー?なにそれ、美味しいの?
「なんで…?安達くんのこと、何も知らないくせに、なんでそんな酷いこと…」
「苺花。噂は噂、みんな好き勝手言うものなの。知ってるでしょ?」
良くも悪くも、コロコロと大衆は意見を変える。
時には、集団で襲いかかってくる。
苺花は初めて、大衆の猛威を振るわれたんだ。
「…今までも気をつけて来たでしょ?安達と付き合ってるのは否定しないよ、だけど、表向きには隠した方がいい。それが苺花のためだよ」
いおちゃんの優しく諭すような声に、苺花は、一気に溢れ出した涙をそのままにしゃがみこみました。
「嫌だ、安達くん良い人なのに、皆何も知らないくせに、なんでそんなみんなのために苺花が偽らなきゃいけないの?悔しい…っ、そんなの安達くんにだって失礼だよ…っ」
「苺花…」
一緒にしゃがんで、肩を撫でてくれるいおちゃん。
「苺花、嘘つかないよ…、安達くんが大切なの、みんなが分かってくれなくたっていい。」
そんな言葉に、いおちゃんは、驚いたように目を見開いたあと、どこか悲しそうな目で、見つめていました。