ヤンキー？なにそれ、美味しいの？

段々と、苺花の繕った笑顔も剥がれ落ちて、今にも泣きそうな目で安達くんを見つめます。


「…冗談、だよね…？」


縋るように1歩足を進めると、安達くんは1歩後ずさる。

縮まらない距離に、苺花が、足を止めた。


「なんで安達くんまでそんなこと言うの…？
苺花もう、安達くんだけなんだよ…？

苺花たち、付き合ってるんじゃないの？」


安達くんには、クラスのことなんて伝えてなかったけど、いっぱいいっぱいの苺花はそんなことまで口に出してしまう。

堪えられない涙がぽろぽろと落ちる中、安達くんは、冷ややかな視線で、言い放った。


「そういうの重いから。」


苺花は、呆然と立ち尽くす。


「早く出ていけよ、ここで泣かれても目障りなんだよ。二度と来んな」


言いながら、追い出すかのように、屋上の扉を開く安達くん。

既に、いっぱいいっぱいの苺花に追い打ちをかけるような言葉を振りかけられ、苺花は逃げるように屋上を後にした。