ヤンキー?なにそれ、美味しいの?
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何が何だか分からないまま、抜け殻のように過ぎていく日々。

ぽっかりと空いてしまった心の穴は、あれから数週間経った今でも、塞がることなく益々大きくなるばかり。


「苺花ちゃん、これ着てみて?」

「ハチマキ、この結び方良くない?」


安達くんと別れた、というような噂は、どこからか広まり、周知の事実となっていて。

あの屋上での出来事があった翌々日には、クラスの女の子たちはそろって苺花に頭を下げ、

今はまるで何も無かったかのように、以前のように慕ってくれる。


それが少し不気味だなんて思うけど、苺花は貼り付けた笑顔でいつもふんわりとその場を流していた。


「苺花、ほら、みんな呼んでるよ?」

「…うん」

「…苺花。」


いおちゃんには、バレバレな偽物の笑顔。

何か言いたげに苺花を見つめるいおちゃんから、逃げるようにみんなが待つ方へと先を行く。


「苺花ちゃん、ここ、手伝ってくれる?」

「うん!いーよー!」


苦しいくらい無理やりな明るさを、いおちゃんは、遠くから見つめていました。
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