ヤンキー?なにそれ、美味しいの?

普段なら軽々避けるような真正面の拳。

脳が揺れるような衝撃に、しばらく耐え、ふるふると頭を振る。


避けれないなんて、本当に鈍っちまったのかもな。


そんな意味のため息を零す。


殴った張本人も当たったことに驚いた様子で、自分の拳を見つめていた。

その横顔を見て、俺はぼんやりと呟く。


「てめえら、学校に来てた奴…?」


喧嘩相手の顔なんていちいち覚えていない俺。

それなのにどうしてか浮かんだ言葉。


そいつらは、どこか嬉しそうな表情をして、


「あぁ、行ったけど?」


と、頷く。


浮かんだのは、苺花がコイツらに絡まれていた映像だった。
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