ヤンキー?なにそれ、美味しいの?

「…っ、ごめん、ごめんなさいっ」


溢れてきた涙を隠すように逃げ出そうとすると、男の子に引き止められる。


「もしかして、安達と付き合ってるって、本当なの…?

最近聞かないから、デマなのかと思ってたんだけど…」


知らない男の子、ほかのクラスにまで話題になっていたんだと少しだけ寒気が走る。


「それは…っ」


否定しないといけない、
いおちゃんに言われたことは分かってる。

だけど、冗談でも自分の口で否定をすることは出来なくて、苺花は口篭る。


「付き合ってねーよ」


突然、背後から聞こえた声に苺花はビクッと大きく肩を揺らした。
< 171 / 215 >

この作品をシェア

pagetop