ヤンキー?なにそれ、美味しいの?
「…っ、ごめん、ごめんなさいっ」
溢れてきた涙を隠すように逃げ出そうとすると、男の子に引き止められる。
「もしかして、安達と付き合ってるって、本当なの…?
最近聞かないから、デマなのかと思ってたんだけど…」
知らない男の子、ほかのクラスにまで話題になっていたんだと少しだけ寒気が走る。
「それは…っ」
否定しないといけない、
いおちゃんに言われたことは分かってる。
だけど、冗談でも自分の口で否定をすることは出来なくて、苺花は口篭る。
「付き合ってねーよ」
突然、背後から聞こえた声に苺花はビクッと大きく肩を揺らした。