ヤンキー?なにそれ、美味しいの?
思いのほか大きかったその声に、安達くんは、驚いたように苺花を見つめた。
「…なんだよ」
ため息をつきながらそう言い、離れていく安達くんを目だけで見つめる。
「…あ、あの、」
ぐるぐると回る、明らかに正常では無い頭で、苺花はよく分からないまま一生懸命叫んでいた。
「苺花は、安達くんのことが好きだから!!
安達くんは苺花のこと好きじゃないかもだけど、それでも大好きだから!!
っ…だからっ…。」
そこまで言って、苺花は突然怖くなる。
安達くんは、重い、と言った。
なのに、こんな風に縋るのは、苺花のわがままで、安達くんにとって迷惑でしかない。
「…っ、ごめん、ごめんなさい…!!」
不安定だった苺花はそう言って、開けっ放しにされていた屋上から、ふらふらの足で逃げ出した。