ヤンキー?なにそれ、美味しいの?

盛り上がる体育祭の中、

必要最低限の競技にしか出なかった苺花は、テントの日陰でみんなの応援係。


対して、いおちゃんは、助っ人でこれでもかってくらいの競技に出場して大活躍。


この差って、一体何なのでしょう、、?


これでもかというくらいの黄色い声援を浴び、爽やかな汗を拭きながら現れたいおちゃんを少し不服そうな顔で見つめると、いおちゃんは呆れたように笑った。


「苺花、ご飯食べに行こうか」

「え…う、うん?」


いつも自然に一緒に食べていたから改めて誘われるのは変な感じがして、苺花は、カタコトで返事をする。


「え!苺花ちゃんたちどこで食べるの?」

「私達も一緒にいい?」

「俺も俺も!」


そんな声に、苺花はヘラりと笑顔を貼り付けて、頷こうとした。


「う…」

「ごめん、今日は私の独り占めデーだから」


そんな苺花を遮るように、突然いおちゃんが苺花を後ろから抱きしめながら言った言葉は、衝撃的すぎて、苺花はいおちゃんを見つめて固まった。


「…え?」
「「きゃあああ!!」」

今度は、私の疑問符をかき消すように何故か上がる女の子の黄色い歓声。


呆然とする苺花を他所に、いおちゃんは苺花の手を引いて、歩きだしました。
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