ヤンキー?なにそれ、美味しいの?
クラス対抗リレーは、40人クラスを想定した設定になっていて、苺花たちのクラスはぴったり40人。
居ないことになっている、安達くんを入れて、40人なのだ。
その、安達くんの分を走ると言ってくれていた神原くんだから、2人も穴ができてしまう。
「誰が代わるの?」
いおちゃんが冷静に聞くと、神原くんと仲の良い男の子が呟いた。
「神原の分は、俺が。でも、他に走れるやついなくて、」
その声に、周りにいた男の子たちは気まずそうに首を振った。
「俺、2回走るほど体力ないし」
「俺も、そんな速くないし、足引っ張るから」
静まり返るテントの中、苺花は呟く。
「安達くんが、いるじゃん。」
いおちゃんは一瞬止めようと苺花を見るけど、苺花と目を合わせてから黙り込んだ。