ヤンキー?なにそれ、美味しいの?
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ゆっくりな苺花の駆け足に引っ張られるように重い足取りで続く。

テントに着くと、赤いTシャツの集団が全員で振り返った。


怯えた顔ばかりが並ぶ中、早柿だけが心底待っていたというふうに俺を見た。


「安達、来てくれると思ってた」


早柿の声に、嬉しそうに苺花は頷く。


「当然っ、安達くんは優しいんだからっ!」


吹っ切れたように笑うふたりに、俺は少々置いてけぼりで。


それは、クラスメートも同じようで、様子を伺うように俺と早柿と苺花の3人を見比べる。


「とりあえず、走順組んだから、ほら、説明説明」


早柿に押し出されるように、俺の前に現れた女子は震える手で、手書きの走順を俺にみせた。


「こういう感じで、安達くんは、ここ…です。」


カサカサと紙の震える音が響く中、早柿と苺花が笑顔で俺を見るから、俺は気まずくなる。


「あぁ、さんきゅ。」


少しおかしな声のトーンで、そう言えば、その女子は驚いたように目を丸くして、


「あっ、はい…あの、こちらこそ…」


と小さくお礼をした。

とまぁ、苺花と早柿だけが満足気な不思議な時間を経て変な空気の中、選抜リレーの時間になった。
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