ヤンキー?なにそれ、美味しいの?

そんな絶妙な空気を壊したのは、


「あっ…えーっと、苺花ちゃん、テント下ろすからそこ畳んでくれると嬉しい…!」


テントの他の足を畳むクラスメートの男の子だった。


「あ、うん!!」


苺花が返事をすると同時に、安達くんが言われた通りテントを畳む。


「あっ…さんきゅ。」

「おう…」


クラスメートも安達くんも、どこか気まずそうで、だけどその明らかな変化が苺花は嬉しかった。


「安達くん安達くん、楽しかった??」

「うるせえな」


あまりに周りをぴょんぴょんしすぎて頭を押さえつけられたけど、そんな行動すら懐かしくて、嬉しくなってしまう。


「照れ隠ししてんじゃないの、分かりやすいね」


いおちゃんも加わって、安達くんがはぁ、とため息をついた時、聞き覚えのある声が響いた。
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