ヤンキー?なにそれ、美味しいの?
「透、嘘はダメだよね」
言いながら、内藤先輩は、苺花の目の前にしゃがんだ。
「ほんと可愛いね。連れて帰っちゃおっかな、」
そう言って、苺花に手を伸ばしたとき、安達くんがその手を振り払って、苺花といおちゃんの前に立ち塞がる。
「渡すわけねーだろ」
そう言った安達くんは、どこか覚悟を決めたような顔をしていた。
「なんだ、やっぱ出来てんじゃん」
「…うるせえ、俺の大切な人だ、もう俺は強くなれない、先輩の所へは戻らない。」
はっきりと言う安達くんに、内藤先輩はふらりと立ち上がる。
「へえ…言うじゃん」
可笑しそうに笑い冷たい視線を向けたとき、安達くんが振り返った。
「悪い、この喧嘩は辞めれない。
巻き込みたくないから、俺は行くよ」
優しい手で、苺花の頭に手を置き、愛しそうな目を向ける。
そんな安達くんの腕を掴み、苺花を首を振った。
「絶対に行かせない、苺花が決めたんだから、絶対だもん。」
「…苺花っ」
いおちゃんが再び苺花を止めようとするのを振り払い、苺花は、内藤先輩の目の前へと歩く。