ヤンキー?なにそれ、美味しいの?
「お前、良い奴と出会ったな。」
内藤先輩は、ひとしきり笑ってから安達くんの肩を叩いた。
何も返さない安達くんを気にすることなくそのまま伝える。
「お前に声をかけたとき、どーしようもなく荒れてた、危なっかしいお前を見て、俺が声をかけてやらないとって思ったんだよ。」
懐かしそうに語る先輩に、大丈夫だと察したのか、いおちゃんはクラスの様子を見てくると苺花に伝え走り去った。
「お前の世界が、出来たんだな。」
「…あぁ。」
少しの沈黙の後、安達くんは答える。
「もう、戻ってこれねーからな。」
「……はい。」
さらに長い沈黙の後、安達くんは覚悟を決めた様子で目を閉じ、そう伝えた。