ヤンキー?なにそれ、美味しいの?
「苺花が避けられてるの知って、巻き込みたくなくて、あんな言い方した。ごめん。」
「ううん、いおちゃんに聞いたから。苺花のこと、考えてくれただけでいいんだ。それで、嬉しいの。」
安達くんは、苺花を閉じ込めるように鉄棒に手を添える。
「好きだ、本当は離れたくなかった。」
熱を持った視線で見つめられて、苺花は驚きで身を仰け反らせる。
「…えっ、え、うわっ!!」
反動でバランスを崩して、後ろに倒れそうになった苺花は、安達くんに抱き上げられ、簡単に地面に降ろされた。
あっという間に戻ってしまったいつもの身長差。
ちらりと安達くんを見上げて、苺花は涙目になりながら笑う。
「安達くんは、やっぱりヒーローだね」
目の前に立つ安達くんに、苺花はぎゅっと抱きついた。