ヤンキー?なにそれ、美味しいの?

せっかく出した勇気がしゅるしゅると萎んでいく。


ほっとしたような、残念なような。

そんな気分で、苺花は屋上の柵に近づく。


そこから見渡せるグラウンドではたくさんの生徒が部活を行っていた。


「あーーーーーーーーーーーーっ!!!」


意味もなく叫びたくなった苺花は、グラウンドに向かって大声で叫ぶ。

グラウンドの人たちにはその声は聞こえてないみたい。


それが、なんだかおかしくて、苺花は何度も何度も叫んだ。


何回目の叫びか分からなくなった頃、不意に後ろから手が延びてきて、苺花の口を覆った。

驚いて振り向くと、そこには懐かしい顔。


「…うるせえよ。寝させろ。」


あのときからなにも変わらない様子で、話しかけてくれた安達くんに、どうしてか目の奥が熱くなった。
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