ヤンキー?なにそれ、美味しいの?

気づけば、エレベーターは1階に止まっていて、私は慌てて飛び降りた。


恋かあ、楽しいのかなあ。

苺花したことないし、いおちゃんの恋も見たことないし…。

身近じゃないんだよねえ…。


そんなことを考えながら自販機コーナーにたどり着く。

1階の自動販売機にも水やお茶はなくて、炭酸飲料やフルーツ飲料など、甘い系のみが残っている。


「みんな買いすぎだよ…」


どうしようかな~なんて、自動販売機の前で立ち尽くすと、後ろに人影を感じた。

時間帯もあり、勢いよく振り返ると、


そこにはフードを被った男の人。


私が思わず後ずさると、その男の人は少し笑って、フードを取った。


「えっあ、安達くん!?」

「おー」


安達くんは、こんな時間なのに眠くなさそう。

ただ、インナーにスポーツブランドの半ズボン、それに薄手のパーカーを羽織っただけの安達くんは、いつもより幼く見えて。


「ふふ、可愛い。」


思わず、苺花は笑っていた。

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