ヤンキー?なにそれ、美味しいの?

「お前なあ…、可愛いのは、どっちだよ…」


安達くんは小声で何か言ってたけど、笑ってる苺花には聞こえなくて。


「安達くんも、飲み物買いに来たの?」

「いや、隣の部屋で、なんかゲーム始まったから出てきた。」


迷惑そうな顔をする安達くんに、苺花はさっきの女の子たちのことを思い浮かべる。


「ふーん、安達くんって、神原~Kanbara~くんの隣の部屋?」

「神原?」

「うん。学級委員長、女の子に人気あるから、もしかしてって思って」

「かもな、女子の声もしたし。」


大して興味のなさそうな安達くんは、苺花の手に握られた財布を見る。


「お前は、飲み物買いに来たのに買わずになにしてんの」


ちょっと、小ばかにしてるでしょ。

知ってるぞ、その顔、ちょっと楽しんでるもん。


「お茶売り切れなんだもん!!甘いの飲んだらのど乾くじゃん!」


むーっと頬を膨らませば、ごめんごめんとでもいうように、

優しくて大きい手が頭の上におりてきた。
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