ヤンキー?なにそれ、美味しいの?

「あっ、お水あるよ~!!」

「ガキ」

「ねえ!意地悪ばっかり言う!!」


尻尾を掴まれた猫みたいに、「シャー!」と威嚇してみると、


「なんだよそれ」

と軽くあしらわれた。


そのまま、安達くんはぽっけからお金を出し、お水を2本買う。


「えっ」

無言で差し出されたお水に、戸惑った顔をすると、

「いーから」

と、軽く投げられた。


「わっ、あっ、あぶない…!」


慌てて、キャッチすると、安達くんから、心のない

「ナイスキャッチー」

を貰った。


受け取ってしまったお水を持って、安達くんを見つめてみるも、

安達くんは、既に自分用のお水を飲み始めてしまって、


「ありがとう、、、!」


申し訳ないけど、素直に奢られることにしました。


のどが渇いたと思ってから、だいぶ長い道のりだったから、

渇ききったのどをお水が通った時は、いつもよりずっとおいしく感じた。
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