ヤンキー?なにそれ、美味しいの?
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「あっれ〜、こんな時間に何してるん?」

「見いひん顔やな、修学旅行生ちゃう?」


自販機の前のベンチでお水を飲みながら話していると、突然背後から声が聞こえた。

明るいのに、どこか不穏な、そんな声に、
苺花の心臓は恐怖にギュッと掴まれたようなそんな感覚がした。


「行くぞ」


安達くんは小声でそう呟いて苺花を立ち上がらせる。


「後ろ向くなよ」

「えっ、うん…。」


強ばる体を無理やり動かすと、安達くんは、苺花の腰に腕を回し、エスコートするように素早く歩き出した。


「なあ、無視?」

「ひどいなあ」


そんな声が遠くから聞こえたと思ったら、一瞬で鈍い音がして、安達くんが少しだけ揺れた。

余りにも動じないまま足を進めるから、
苺花は安達くんが後ろから殴られたことにしばらく気づかなかった。
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