ヤンキー?なにそれ、美味しいの?

「おい!!お前ら何してる!!?」


遠くから聞こえる声と、懐中電灯。


ハッとして声の方を振り返ると、
あれは、苺花たちの学校の教師。


反射的に、安達くんの方を見れば、

ボコボコでフラフラの二人組みと
そのうちの一人の胸ぐらを掴む彼。


「に、逃げなきゃっ!!」


そんな言葉が出た自分に驚きだったけど、


真っ直ぐ安達くんに駆け寄ると、

安達くんは、掴んでいた胸ぐらを離し、懐中電灯の方へとゆっくり目を向けた。


「ね、ねえ、安達くん??」


焦りながらも、近付いてくる先生に聞こえないように小声で安達くんの胸を叩き名前を呼ぶ。

その振動にようやく気付いた様子の安達くんは、喧嘩中の冷たい目のまま、苺花へと視線を落とし、

次の瞬間、さっきまでが嘘みたいに命が点った瞳で、苺花を見た。

いや、認識した、という表現に近いかも。


驚いたような真ん丸の目で苺花を見ると、
勢いよく苺花を抱き上げて、駆け出した。
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