ヤンキー?なにそれ、美味しいの?
実は、修学旅行の日、
あの喧嘩の騒ぎが結局、安達くんだと先生に決めつけられて。
本当に関係者ではあったから、安達くんも否定しなくて、
結果、安達くんの怖がられ具合は修学旅行前よりも上がってしまった。
「苺花、本当のこと知ってるの。安達くん、悪くないんだよ?」
そんな雰囲気に耐えられず、
先生のところに行こうとした苺花を止めたのはいおちゃんだった。
「苺花。それはだめ。庇うようなことしたら、苺花まで非難されるかもしれないでしょ」
苺花を大切に思って守ってくれるのはいつもいおちゃん。
だけど、それじゃあ安達くんのことは誰が守るの?
納得しない顔で、いおちゃんを見つめると、いおちゃんは負けじと真剣な顔をして言葉を続ける。
「安達は、苺花が居たこと隠してくれたんだよ。安達の優しさを無駄にしていいの?」
決して、安達くんのことを否定しているわけじゃない。
いおちゃんは、安達くんの優しさを知ってくれてる。
「…うん、そうだよね…。」
苺花は、渋々頷いて、それ以上その騒ぎに口を挟むことは無かった。