ヤンキー?なにそれ、美味しいの?
「苺花!交代!」
ホイッスルの音とともに、
チームでお揃いのリストバンドで爽やかに汗を拭ういおちゃんがベンチへとやってきた。
「ええーっ、交代したくないよぉ、いおちゃん活躍しすぎだし、みんなガッカリするよ?このまま出てもいいんだよ?」
ぶつぶつと、御託を並べる苺花に、いおちゃんは、優しく頭を叩く。
「疲れたから、無理!早く行ってきな?ほら、みんな待ってるよ」
コートの中には既に、交代済みのメンバーたちが、準備運動をしながら、手招きしている。
「ええーー…やだなぁ…」
まだ諦めず、ぐずぐずする苺花を、いおちゃんは呆れたようにトンっと優しくコートへと押した。
「大丈夫よ、皆で練習したでしょ。苺花の役目は?」
「…とにかく動き回る」
「うん、行ってらっしゃい」
送り出されたコートで、チームのみんなにヘラりと挨拶。
みんなで円陣を組み直して、いざ、第2ピリオドが始まった。