夏休みの勲章
「それは分かってるけどさ、都会からカブトムシを捕りに来た子が居るんだよ。な、頼むって。」


おじさんと話をしていた、いちばん背の高いお兄ちゃんが、足の間から顔を出している僕を見た。


みじかい前髪を立たせてて、首からぶら下げた虫かごいっぱいにカブトムシが入ってる。


なんだか、かっこいいなぁ。


「都会から?だったらよけいヤだね。ここは俺たちの場所だもん。都会のやつは帰れ。」
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