夏休みの勲章
「武志、今お前が話してた子供って、もしかして孝明君の息子か?」


「分かるか?ま、亮の奴は昔の孝明君にそっくりだからな。でも、孝明君は亮の奴と違って、俺ら年下に優しかったけど。」


僕は、お兄ちゃんたちが飛び出してきた木の間を、空の虫かごをつかみながらじっと見ていた。


カブトムシ…もういないのかなぁ。


「あいつらの事だから、一匹も残しちゃいないと思うけど、一応中に入ってみるか。」


そう言うとおじさんは、お兄ちゃんたちが飛び出してきた木の間に入っていった。
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