夏休みの勲章
だれもいない茶の間に、頭の中でそう言ってお爺ちゃん家をでた。


縁側の上につるされてある風鈴が、僕の出発をチリンチリンと応援してくれてるみたいだった。


パパやおじさんと行ったから、山羊のお爺さんのお山までの道はわかる。


以外と近くなんだ。


空の虫かごは、帰ってきたときにはいっぱいになってるはず。


そう信じて、大きくて白い綿アメみたいな雲を見ながら歩きだした。
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