夏休みの勲章
カブトムシがいなかったと思うと、急に体の力が抜けちゃったみたいに、僕は木に体を預けて座りこんだ。


忘れちゃってた右膝も痛いし、歩きすぎて疲れちゃったよ…。


お腹も減っちゃったし…お腹!


思い出したようにリュックサックを開いて、中からお腹が減ったとき用のお菓子を取り出した。


ジンジンする膝を眺めながら、次々にお菓子を平らげていく。


見上げると、力いっぱい枝をのばした葉っぱの隙間から、ちょっとだけお空が見えた。
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