夏休みの勲章
電話をかけに行ったお兄ちゃんが戻ってきたとき、またどこからかブ〜ンて音が近づいてきた。


「お兄ちゃん、ハチさんだよ。」


そう言って僕は体を丸めたけど、お兄ちゃんは木の上の方をじっと見てた。


「違う。ハチはあんなに大きな音じゃねぇ…カブトムシだ!」


大きくなったお兄ちゃんの声に、僕も木の上の方をじっと見つめてみた。


パパの身長よりも高いところに、大きくて立派な角を生やしたカブトムシ…。
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