夏休みの勲章
お兄ちゃんがどんなに高くジャンプしても、どんなに木を揺すってみても、しっかり木に掴まったカブトムシはビクともしなかった。


「おい、都会もん。お前の名前は?」


「し…真吾。」


「よし、俺は亮な。じゃあ真吾、俺の肩に乗れ。」


「い、いいの?」


「俺の方がお兄ちゃんだから、良いんだよ。」
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