夏休みの勲章
「とれた!カブトムシとれたよ亮お兄ちゃん!」


ゆっくりと地面におりて、僕の手じゃ大きすぎる立派なカブトムシを、じっくりと見つめた。


僕が初めてつかまえたカブトムシ…。


「はい、亮お兄ちゃん。」


「俺はいらねぇから、真吾にやるよ。真吾が捕ったカブトムシは、真吾のモンだ。それに、武志おじさんがこの間のことを父ちゃんに言いつけたから、父ちゃんにゲンコもらったんだ。」


そう言って見せてくれた頭には、たしかにボコンと腫れたところがあった。
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