夏休みの勲章
「うん、わかった。亮お兄ちゃんのカブトムシ、僕が大事に飼うね。」


僕と亮お兄ちゃんが笑顔な姿を見て、パパも俯いていたお顔を上げて笑顔になった。


「じゃあ、ママが心配してるからお爺ちゃん家に帰ろう。」


「うん。でも、なんでパパはそんな格好してるの?」


いつもはスーツ姿で会社に行くパパは、黒いゴム長靴にドロのついた作業服を着ていた。


お顔は真っ赤に日に焼けて、首にタオルを巻いていたパパだったけど、すっごく格好よかった。
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