イチゴパフェ
「受け取ってもらえないかと思った。」
久しぶりのキスは、あの頃とおんなじ。
ふれるだけで離れていった。
でも、ぎゅっと抱き寄せられた。それはちょっと違った。
秀の背中の辺りの服を、きゅっと握る。
「秀――」
私は秀がどんな顔してるのか見たくて、腕の力を緩めようとしたけど、
秀は余計に腕に力を入れて、私を離してはくれなかった。
それをいいことに、私は秀にぴったりとくっついて、ゆっくり息をしていた。
お互いの心臓の音が重なって、どどっ、どどっと音を立てている。
「――あのね、秀。」
「何?―――ひより。」
「…!!」
「なんだよ、お前がそう呼べって言ったんだぞ。」
顔は見えないけど、秀の声は笑みを含んでいて…。
嬉しい…嬉しくて泣きそう…どうしよう…。
「お前って言うな、バカヤロォ…」
情けない声で罵倒する私に、秀はまた、優しく笑うのだった。