イチゴパフェ
あの日の秀の声はせっぱつまっていて、今にも泣きそうで、
この人はなにか辛いことがあったんだ、今もきっと戦ってるんだって思った。
でもあのときの私は弱くて。
きっと私は必要とされていないんだって思って、逃げた。
あのあと秀が転校してしまって、アドレスも電話番号も変わっていて。
どれだけ後悔したか分からない。
今度はもう、逃げない。
ちゃんと「もう要らない」って言われるまで、ずっと秀の側にいる。
あのときのこと、いつかちゃんと話せますように。
親指で指輪をそっと撫でた。