イチゴパフェ




翌朝。


『勝手に寄って作ってかえるから。拒否権ナシ!』

『わかってる。ありがとう』

そっけないLINE。
でも、一言一言が嬉しくて。
ついにやけてしまう。



ふぅっと息を吐いてから部署のドアを開ける。


「一条、おはよう!」

「おはよう、佐伯。」

すぐに声をかけてきたのは同期の佐伯竣佑で…佐伯には以前(秀と再開した日に)告られて振っているので、私としてはちょっと気まずいのだけど、佐伯の方は変わらず接してくれている。


「突然だけど今日同期会あるって、参加だろ?」

「あ。ごめん、今日は…ってかこれからちょっとキツいかも…」

ん?と首を傾げる佐伯を、私は見ることができず下を向く。

「彼氏、仕事忙しすぎてごはんちゃんと食べてないみたいなんだよね。だから作ってあげることにした…の。」

「そうか。」

幸せそうで安心した、佐伯はそう続けたので私は思わず顔を上げた。
佐伯は微笑んでいた。

「えっ?」

「彼氏と上手くいかないくらいなら俺が…って思ってたんだけど。
一条、幸せそうだからさ、やっと俺もふっ切れるよ。」

そんな風に思ってくれていたなんて、私は涙が出そうになった。

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