イチゴパフェ
「…会長とかは手伝ってくれないんだ。」
「どうしましたか?」
仕方なくその気配の方を見ると、
ものすごく美形の男が立っていたものだからびっくりした。
「これ。」
その手に握られていたのは私のノートで。
「先生が、一条さんに渡しておいてくれって。」
「そ、そう…ありがとう…」
ここまで美しい…いや男性だからかっこいいって言うべきなんだろうけど、
かっこいい人は生まれて初めて見た。
もちろんテレビとかではあるんだろうけど、
なんていうか…すごいオーラ。
まつげはエクステしてるのかと思うほど長くて多いし、
すっと通った鼻、目ははっきりした二重で、唇は一筆書きをしたように整っていたし、
漆黒の色をした髪の毛は、女の私のそれよりも艶があるような気がした。
見た目はどこか中性的だけど、醸し出すオーラは男のそれで…
(こういうのがフェロモンってやつなのかなぁ)
何よりも私の心に残ったのは、瞳、だった。
静かな…けれどなにかとても大きな感情を秘めていそうな瞳。
ちょっと力を抜くと吸い込まれてしまいそうだった。
これが噂の円木(ツブラギ)くんか…
赤い薔薇とか似合いそう…なんて考えていたら、
円木くんは、ぼそっと呟くように言った。