美男子の恋事情!
③
◇◆◇
『大ちゃんって天邪鬼だよね』
いつもの特別棟三階の廊下。
ぼーっと外を眺めながら、拓真に言われた事を思い出していた。
昨日の部活で拓真にあまり春香と遊ぶなと忠告した時、『……大ちゃん。それ兄貴としての忠告?』と拓真に聞かれた。
もちろん即答で『ああ、そうだ』って答えたけど、胸に違和感を感じたのを多分拓真にもバレてしまったんだと思う。
拓真は察しがいい。
俺がさりげなく目を逸らすと、はぁ、と溜め息を吐いた拓真に“天邪鬼”なんて言われてしまった。
天邪鬼?俺が?
俺が春香に対して抱くこの想いが兄貴としてじゃなかったら何だと言うんだ。
別に強がってないし、自分に嘘をついてるわけでも、素直になってないわけでもない。
俺は本気で春香のことを妹だと思ってる。
その何処が天邪鬼なんだ?