美男子の恋事情!

俺はそんな春香をずっと側で見てきた。


変な気を起こさないとも限らないし、ボーッとし過ぎて危なっかしい。


このままだと春香が春香じゃなくなる気がして、俺は春香が少しでも気が晴れるように、笑顔が戻るように外に連れ出したりして努力してきたつもりだ。


おばさんが退院して春香がうちを出て行った後も、ほぼ毎日顔を見に行った。


おばさんが戻ってきたこともあり、徐々に笑顔を取り戻していく春香の姿を見て、俺はこの上なく嬉しく思った。


戻ったこの笑顔を、一生守る。


俺の中で芽生えたこの気持ちは、兄貴としてのもの。




……だったはずなのに。


最近の俺はどうかしてる。


春香と拓真の仲に嫉妬してる自分がいる……



今、目の前で春香が拓真の元に行こうとしてるのを見て、焦ってる。



俺はテニス部の顧問で教師だ。


部員が練習を見てくれって言ってるんだから、それを最優先すべきなのに。


俺の頭の中は春香のことばかり。



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