美男子の恋事情!

っていうか、あいつら何処で待ち合わせしてんだ?


それぐらい聞いておくんだった、と今更後悔しても遅いけど。



駅前ロータリーに着くと、よく待ち合わせ場所として使われるペガサスの銅像の前で辺りを見渡す。


休日なだけあって人が多い。


ペガサスの前も混雑している。


一通り見ても見当たらないってことは、待ち合わせはここじゃないのか?


それとも、もう合流して何処かに行っちまったのか?



「くそ!あんのバカっ‼︎」



すぐにポケットから携帯を取り出すと、着信履歴の一番上にあった春香の番号を呼び出す。


コール音を聞きながらも周囲に視線を走らせていると、【もしもし】と呑気な声が聞こえた。



「もしもしじゃねぇよ‼︎お前今何処だ⁉︎」


【何処って、それはこっちの台詞だよ。大ちゃんこそ今何処にいるの?私はもう着いてるよ】


「……は?着いてるって?」


【だーかーらーっ‼︎生物の教科準備室‼︎呼び出したの大ちゃんでしょ‼︎】



は?教科準備室?俺が呼び出した?何のことだ?


春香の言うことの意味が全くわからない。


俺は呼び出してないし、そもそも春香は今日これから拓真と会う約束だろ?



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