美男子の恋事情！

【ちょっと大ちゃん聞いてる⁉︎】



電話口で騒ぎ始めた春香に「あ、ああ……」と相槌を打つ。


とりあえず学校に戻るか。


携帯を耳に当てたまま踵を返した時。



「だ〜いちゃん」



ニヤニヤと気持ち悪い笑顔を浮かべた拓真と霧島優奈が手を振りながら近付いてきた。



「あ‼︎拓真、お前」


【え？拓真がどうしたの？】


「別に何でもない。とりあえず春香はそこで待ってーー、っておい！」



いつの間にか俺のすぐ側まで来てた拓真が、俺の携帯をひょいっと奪った。



「近衛？悪いけどちょっと待ってて。少し大ちゃん借りるから」



そう言って、勝手に電話を切ると「ほい」と俺に携帯を差し出す。


「ったく、勝手なことすんなよ」と受け取った携帯をポケットに仕舞うと、「で？どういうことだよ？」と拓真を軽く睨むように見据えた。



「どうもこうもないよ。天邪鬼な大ちゃんが素直になれるように俺達からのちょっとしたプレゼント」


「俺“達”？」