美男子の恋事情!

緊張で声が掠れる。


俺がこんなこと言うなんて、自分でもびっくりだ。


今まで、彼女が出来ても何処か冷めてた。

彼女が会いたいって言ってきても、気分が乗らないと会わない。


そもそも、テニス優先の生活だったし。


五回に一回会えば良い方だ。


もちろん、彼女に試合を観に来てほしいなんて言ったこともなければ、勝手に観に来た奴とは別れたことだってある。


俺のスペースに入って来て欲しくなかった。



そんな俺が女に観に来てと自分から誘うなんて、どんな心境の変化だと自分で驚く。


こんなこと拓真に言ったら、いつまでもからかいのネタにされそうだ。



喉仏をゴクリと動かして、彼女の反応を窺う。


後先考えずに言ったけど、断られたらだいぶショックだ。


それに、なんかこれって、あなたに気がありますって言ってるようなもんじゃね?


緊張というよりも後悔の方が大きくなってきて、春川さんから視線を逸らした時。



『じゃあ、次の大会では絶対一軍に入って下さいね!楽しみにしてます』



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