美男子の恋事情!
春川さんは俺の胸の内なんて知らず、手を繋いでいない反対側の手で俺の腕をそっと握った。そして。
「ねぇ……もう一度、聞かせて」
「何を?」
「……好きって」
色素の薄い潤んだ瞳が上目遣いに俺を見つめる。
予想だにしなかった彼女の誘惑に、頭の中で何かがプチンと弾ける音がして。
俺の理性は完全に崩壊した。
気付いたら、俺は華奢な体をきつく抱き締めていて。
甘い香りがする首元に顔を埋めた。
「ああー、もう!なんでそうなんだよ…」
「え?」
「俺、男だよ?ちゃんとわかってる?」
「もちろんわかってるよ」
「男は危険な生き物なんだ。そんなこと言ったら男が調子乗って襲われるぞ」
心配だ……春川さんは少し天然な所があるから。
知らないうちに他の野郎にそういうこと言って、危ない目に合わないか。
「他の人にはそんな恥ずかしいこと言わないもん。海生君だから……海生君なら私……」