美男子の恋事情!
「ってか、相変わらず凄いな」
拓真は周りを見回すと苦笑いを浮かべた。
俺達の後について来る女達。
全員、俺や櫻川高校テニス部員の追っ掛けらしく、うちの高校の女子や他校生、大学生、二十代の女までいる。
どうやらうちのテニス部は、本人達の知らぬうちにアイドル化され、勝手にファンクラブが出来、見世物になってしまったようだ。
「お、あの子可愛い」
拓真は集まる女の中にタイプの女がいたらしい。が。
「そんなこと言ってると、また優奈がキレるぞ」
俺と拓真にはもう一人、霧島優奈(キリシマ ユウナ)という幼馴染がいて、拓真と優奈は中二から付き合ってる。
かれこれ四年の付き合いだ。
拓真はお調子者だから、浮気ではないけどすぐ女子を可愛いと言ったり、二人で遊びに行ったりする。
拓真からしたら友達なら遊びに行くのは普通だろ、なんて言ってるけど。
その事で二人の喧嘩は絶えず、その度に俺が間に入らされて正直迷惑していた。