美男子の恋事情!
「拓真、私ね……海生がいるから櫻川に行きたいんじゃないよ……」
優奈は俺を潤んだ瞳で見つめる。
ドキッとした。
いつの間にこんなにも女になってた?
女の色気なんて、皆無だったはずなのに。
「拓真がいるから櫻川にしたんだもん」
俺が…いるから……?
それって、俺……自惚れてもいいってこと?
優奈の滑らかな頬を手で包み込むと、ゴクッと生唾を飲む。
「拓真?」と俺の名前を呼んだ瞬間、俺は言葉ごとピンク色の柔らかい唇を奪った。
ビクッと華奢な肩を揺らし、強張る体。
俺の服をギュッと握る小さい手。
だけど、優奈は拒否をするどころか、俺を受け止めてくれる。
啄むように優しく、何度もキスを落とす。
胸が震えた。身体が熱くなる。
もっと欲しい。優奈の全てが欲しい。
やがて優奈が俺の服をギュッと掴み、俺は名残惜しく唇を離した。
優奈はトロンとした目をしていて。
俺はその身体をきつく抱き締めた。
これが、俺と優奈の始まりだった。
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